少し前にもちょっと話をしたなと思うんですけど、今年はゆとりをもってね、生きていきたいななんていうふうに思っていて。
で、その、時間的なゆとり、精神的なゆとりってね、あるんですけど、具体的にはね、意味のないことをしたいなっていうふうに思ってるんですよね。
意味のないことっていうのは、意味のないことなんてないと思うんだけど、「目的を設定していないこと」をやる時間を増やしたいなっていうふうに思っててね。
それは例えば、あそこに新しい店ができたから行ってみようとか。
それって「新しい店ができたから行く」っていう目的はあるんだけど、もともと目的を立てていたっていうよりは、ふと思ったからやってみたっていうだけじゃないですか。
人と会った時に、こういうことを話そうとか、こういう打ち合わせをしようっていうよりは、ふと、この人としゃべってみたいなって思い立ったから連絡をしてしゃべるとか。
それは去年もやってたんですけどね。
そういう時間を増やしたいっていうふうに思ってね。
人って忙しくなると、目的のあることばかりをしたくなっちゃうわけですよ。
時間がもったいないからね。
でも、それってやりすぎると良くないんじゃないかな、なんてことを最近思ってさ。
それで今年はちょっと色々変えていこうかなと思ってるわけですけれども。
なんだろう、意味がないこと、目的のないことをやりたいっていうのって。
例えば、目的があるっていうこと。
自分がそのことによって、なにかをすることによって稼ぐとか、なにかをすることによって自分自身が成長できるとか、そういうことって、結果的には競争とか争いっていうものに直結しやすいっていうふうに思うんですよね。
別になんでもかんでもそうってわけじゃないですけど。
すごい広い話をしてしまうと、世の中で起きている戦争っていうのは、自分の国を満たしたいっていう目的があって、より成長させたい、満たしたい、裕福でありたいみたいなところが根本にあって、戦争に勝つことによってなにかが手に入るからやるわけじゃないですか。
国のレベルになって、ただ感情的に「こないだの大統領の発言がムカついたから戦争になりました」ってことはあんまりないと思うんですよね。
それよりはもっと、ドライに物事って考えられていると思うんですよ。
でもそれは、その国の経済成長だとか、そういったものが国家の目的としてあるから、そういうことが起きるっていうことだと思うんですよね。
そんな広い話をしなくても、会社っていうものがあって、でも会社っていうのは、お給料として払えるパイは限られているわけだから、じゃあ一緒に入ってきた同僚よりも自分は成長をして、結果を出して、出世をしていきたいとかっていう目的があるから、じゃあその同僚には勝たなければいけないってことが起きてくるわけですよ。
それはもちろん悪いことではないと思う。
戦争は悪いことだけども。
競争してでも自分は成長していきたいっていうものは活力にもなるし、人間が成長する動機としては非常にモチベーションになりやすいので、あった方がいいことだとは思うんですけれども。
そういったことが人生の大半になってしまうと、この間の放送でもちょっとお話をしましたけれども。
人間というのは余裕がなくなって、人に対する愛情みたいなものも薄れてきてしまうし、人に対する愛情が薄れてくるということは、自分に対する愛情もどんどん薄れていって。
成長しなきゃダメだとか、こんな自堕落に生きている自分はダメだとか、そういったことになってしまって、どんどん精神的にも余裕がなくなって、周りに対しても攻撃的な気持ちになってしまったり、勝たなければいけないっていう気持ちになってしまったりっていうことで、あまり生きやすくないんじゃないかなっていうふうに感じるんですよね。
一日の中でそういった時間っていうのはあってもいいと思うし、ゼロにするべきではないと思うんですけれども。
時間の取り方として、なんの意味もなく、なんの目的もなく生きられる時間っていうのをきちっと確保しようっていうふうに心がけることは大事だろうなって思うんですよね。
特に僕は、なんの意味もなく過ごしているっていうのが、どうしてもヒマに感じられてしまって。
できるだけなにか目的を持ちたい、みたいになっちゃうから。
無目的な時間そのものを楽しむ、みたいなね。
そういうのはね、生きていく上でめちゃくちゃ大事だなっていうのをね、当たり前のことなのかもしれないけれどもね、改めて去年あたりに気づかされたんですよね。
人とごはんを食べる時に、なにも考えずにその人と笑い合ってることが楽しいなっていうふうに感じる。
頭を一生懸命働かせて人としゃべろうというふうに僕はやっちゃったりするんですけど。
そうじゃなくても、なにも考えずに、ああ、このごはんおいしいねって言ってね、そういやこの間こんなことがあったねっていう世間話でもして、みたいなことで、その時間を過ごして、この時間のこの空気感楽しかったな、みたいなね。
言ってしまえば、もうそんなにしゃべらなくてもいいかもしれないですよね。
おしゃべりな人がしゃべればいいわけだから、そういう時間を大切にしたり。
僕はね、露天風呂が好きなので、別に誰を誘うでもなく、ひとりで露天風呂に入って気持ちいいなっていう時間を過ごしたりっていうのは、どうしても忙しくなっていくとそういう時間を削りたくなってきてしまうので。
そういう時間こそ大切にして生きるっていうことをね、今年は少し取り入れていきたいなっていうふうに思いますね。
たぶんそのほうがね、生きてて気持ちがいいし。
あとはね、自分が目的を持ってなにかに挑んでいたりするときに、バッファの時間というか、なにも目指してない時間っていうものが入っていた方が、よりパフォーマンスも上がるような気がするんですよね。うん。
この間の、時間にゆとりのある生活のほうがクリエイティビティが発揮しやすいよって話をしましたけど(※479.クリエイティビティの条件)。
パフォーマンスって、なにかに集中し続けることによってどんどん伸びてくるのではなくて、緊張と緩和みたいなものがリズムとしてある中でのほうが発揮されやすいような気もします。
なので、今すごく忙しい、ピリピリしているっていうことがあったら、あえて忙しいっていうことは一旦忘れて、無目的に生きられる時間みたいなものを取り入れてみるとね、全体がうまく回るような、そんな気がするので、今回は、そういうお話を選ばせていただきました。
自分の今の状況を鑑みて、もし参考になるところがあったら取り入れていただけるといいかな、なんていうふうに思います。
はい、今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。