オンライン喫茶 4th place
オンライン喫茶しゃびのオフなひととき(テキスト)アーカイブ

4.身の回りに嫌いな人っている?

突然なんですけど、皆さんは嫌いな人っていらっしゃいますか。
身の回りの人で、身の回りじゃなくてもいいけども、多くの方は一人や二人は嫌いな人がいると思うんですよね。
僕もね、いるんですよ。
でも最近関わらなくなっちゃったから、嫌いな人っていうか、嫌いだった人にしておいたほうがいいかもしれないですね。
今はあんまり嫌いっていう感情がないので、好きじゃなかったんですよ、その人のことがね。
関係性で言うと、僕、営業職をしてるんですよ。
会社員なんですよね。
営業職をしていて、その人は会社の同僚なんですよ。
どっちかっていうと、立ち位置としては、僕の相棒みたいな立場の人だったんですね。
で、相棒なんですけど、年齢は10歳ぐらい年上なんですよ、うん。
僕は40代なんですけど、その人は50代の人なんですよね。

なにが嫌だったかっていうと、ちょっとずるい人だったんですよね。
営業職なので、成績を上げたいんですけども、自分が簡単に楽をして成績を取れそうなものは全部自分で持ってっちゃって、成績にならない雑用みたいなことは全部人に押し付けてくるっていう、そういうタイプの人だったんですよね。
でも、僕の方が年下だから、まあ基本的にはそれを飲まなきゃいけないというかね、気を遣わなきゃいけないところでもあるんでやってたりしたんですけど、それが目に余るんで、すごい嫌だなと思ってたんですよね。
そのことについて問いただしたりすると、へそ曲げて拗ねちゃう人でもあったんですよ。
社交的な人ではなくて、どっちかっていうとちょっと暗い人なんですよね。
だから、あんまり傷つけちゃうと、ナイーブになっちゃって。
プイッてへそ曲げちゃうようなね。
そういう人なんですけど、で、かつ、ずるいところがあるんで、やりづらいんですよね。
おいしいところはその人が持ってっちゃうし、雑用でこっちは忙しくなっちゃうし、挙句、その人は、自分の案件であっても、その中の雑用部分も人にやらせようとしてくるタイプの人で。
そのひねくれた根性が嫌いだなと思ってたんですよね。
自分も迷惑だしね。
それでギスギスしたりもしてたんですよね。
こっちも嫌だからさ、すごい言うし。
で、向こうはへそ曲げるし、みたいなね。うん。

やだなやだなと思ってたんですけど、ある日、その人と一緒に、しばらく車に乗ることになったんですよ。
あるものを遠くまで運ばなきゃいけないんだけど、結構な量なので、2人で行かなきゃいけないっていうことがあってね。
で、2人で行こうかって言って、結構長い距離をね、車に乗って、走って行ったんですけど、道中さ、なんかおしゃべりをするわけじゃないですか。
別にかしこまって仕事のことを話すのでもなくね、雑談していたんですよ。
僕はあんまり好きじゃなかったけども、普通にしゃべる間柄だったしね。
相棒だしね。
その話の流れの中で、子供の話になったんですよね。

僕とその人、10歳離れてるんですけど、その人のほうが子供が生まれたのがすごく遅くて。
まだ幼稚園に入る前ぐらいの子供がいたんですよね。
うちの子供はもう当時小学生だったんですけど。
で、同じく女の子だったからね、子を持つパパという立場で、その人と話をしてたんですよね。
そしたら、その人が「ちょっとしたことで、コラッて注意しちゃったりするんだよね」って。
「あんまり言い過ぎないほうがいいと思うんだよな。でもついついね、やめなさいとか言っちゃうんだよな」とかって、いろいろ話をしてたんですよね。
「ああ、でも、わかりますよ」とかなんとか言って。

そしたら、なんかこの人好きだなと思ったんですよ。
パパトークをしていたらね。
その時に思ったのは、人間っていろんな側面があるよねって思ったんですよね。
その人には、子を持つパパっていう側面があったり、営業マンっていう側面があったり、もっと広く言うと、会社員、サラリーマンっていう立場、そういう側面があったり、関係性によると、誰かの上司っていう立場があったり、誰かの部下っていう立場でもあったり、そういう、いろんな側面がありますよね。

50代男性とか、趣味で言うとさ、例えば野球が趣味だったら、野球をしている時のその人っていう側面もあるだろうし、そういういろんな側面を人は持ってると思うんですよね。中学の同級生と一緒にいるときの自分と、高校の同級生と一緒にいるときの自分と、大学の同級生といる時の自分とかさ、違ったりするじゃない。
コミュニティで言うと、コミュニティの中での自分とか、そういう自分の場所場所でのキャラクターもちょっと違うし、性格なんかも変わってくると思うんですよね。

その人のことを僕はずっと嫌だなと思ってたんですけど、なんで嫌かって、おそらく、同じ営業マンとして、同僚としてっていう立場でその人と接していると、その人のことが嫌いだっていうふうに感じるんだろうなって、その時思ったんですよね。
でも、子を持つ親っていう立場で、その人と接した時に、この人って自分にとって嫌いな人じゃないんだなっていうふうに感じたんですよ。
例えばさ、幼稚園のパパ友としてその人と出会ったんであればね、子供遊ばせてさ、公園で一緒にしゃべってるんであれば、この人めちゃめちゃいい人だなって思ったかもしれないわけですよね。

たまたま同じ部署で出会って、席はとなり同士で、同じエリアの担当になって、ってなった時に、その人が見せる側面っていうのが嫌だなってことなんですよ。
その人がなんでそういうことするかっていうと、嫌なやつだからそうしてるっていうよりも、仕事にすごい自信がない人なんですよね。
自分はすごくできない人間だから、おいしい思いをしてでも成績を上げていかないと、上司にも詰められちゃうし、うまくいかない。
だから、真っ向勝負をしてても自分はうまくいかないっていうのがわかってるから、そういうふうにしちゃうわけですよ。
「嫌なヤツ」でやってるっていうかね。
こっちはそれで割りを食うから、すごい嫌だなっていうふうに思うわけで。
だから嫌いだなってなっちゃうんだけど、掘り下げてみると、その人の痛みみたいなところもね。
仕事に関してもわかるところがあるし。
ただ、そこで自分が当事者として割を食ったり、嫌な思いをしてなければ、そんなに嫌いじゃないんだろうし、みたいな。

だから、その関係性の中で偶然その人のことを嫌だっていうふうに思う。
サイコロで6面あるとしたら、この組み合わせで出会っちゃったときのみ相性が悪い、みたいなさ。

あとの5面だったら良かったのにな、みたいなさ。
そしたら、めちゃくちゃ低い確率じゃないですか。
こっちの6分の1と相手の6分の1が重なっちゃった時だけ嫌なわけだから、36分の1なわけじゃないですか。
36分の1の確率でその人のことを嫌いになっちゃっただけであって、あとの36分の35は、その人のこと嫌いにならずに済んだってことなんだろうなと思うと、そこで目くじらを立てるのもなにかなあっていうふうに、その時思ったんですよね。

その時以来、自分の中でちょっと嫌だなっていう人と出会った時に、接点を変えてみるっていうことをするようになったんですよ。
この組み合わせで会ってるといけ好かないんだけど、違う側面でこの人と接していたら、なんかいい人に見えるかもしれないな、みたいな。
仕事で接していてちょっと嫌だなと思ったら、趣味のほうで振ってみるとかね。
そういうやり方をしてみたら、自分の中で、人間関係でイラついたり嫌な思いをすることも減ってきて。
だから、それはそれで、いい気づきを与えてもらったなっていうのがその人なんですよね。

結果的にね、お互いに異動になっちゃって、おそらくもう二度とその人と会うことはないんですけど、二度偶然会うっていうには、ちょっと職場的に大きすぎるんでね。
だから、一生会わないかなとは思うんですけど、なんかそういうことをね、その人から気づかされたんですよね。

もし今、自分の身の回りの中で、すごい嫌な人がいたとしてね、それがたまにしか会わない人だったらさ、まあ、いいじゃないですか。
会う、会わないをジャッジできる人だったら、会わないようにしたらいいと思うんだけど、例えば職場とかさ、自分の身の回りで必ず会わなければいけない人で、嫌だなって思う人がいたら、試しにね、接点を変えてみるっていうのをやってみると、僕のパターンみたいに「この人そんなに捨てたもんじゃないな」なんて思えることもあるかもしれないので。
もし、そういう案件があったら、やってみてもらえるといいかな、なんていうふうに思います。

はい、今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。​