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484.ドーパミンにご用心

今日はね、ドーパミンという脳内伝達物質について話をしようかなと思ってるんですけど。
僕の中ではね、ドーパミンにご用心っていうふうにね、思ってるんですよね。

人間にとってはものすごく大事な脳内伝達物質で、興奮する作用のあるホルモンなんですよね。
それが分泌されると、快楽の感情が芽生えるというか、心地がいいんですよね。
だから、いいっちゃいいんだけど、良くも働くし、悪くも働く、ものすごく振り幅の大きいものだなっていうふうに思うんですよ。

例えば受験勉強とか、仕事の営業成績とか、自分が趣味で取り組んでいるスポーツ、書道、ダンスとか、なんでもいいけど、そういうものが成長するっていうことに、ドーパミンってすごい大事なんですよね。
成長してるぜっていう実感があるから、すごく興奮をして、もっと頑張ろうっていうふうに、頑張る活力になったりするから、社会生活を営む上でもドーパミンっていうのはすごく大事だなっていうふうに思うんですけれども。

成長を促してくれる一方で、人を破滅に陥れるのもドーパミンで。
例えば、全然勝てないのにパチンコを続けちゃうっていうのは、パチンコとかスロットが持っている「人を興奮させる要素」っていうのが人をギャンブルに駆り立てるわけですよね。
ギャンブルをすると興奮するから、仮に負けたとしても、次で取り返してやるって言って、もっと興奮して、また負けて、もっと興奮したいからもっとやって負けてっていうので、人間が破滅に陥れられていくっていうのもあるし。
そこまでじゃなかったとしても、スマホのさ、たわいもないショート動画とかあるじゃない。
そういうのを延々と見てしまうみたいな傾向も、やっぱりドーパミンが及ぼす悪い影響だと思うんですよね。

ドーパミンっていくつか特徴があって、まずドーパミンが分泌されると快楽の感情が湧くっていうのがひとつの特徴で。
もうひとつの特徴は、報酬予測と報酬確定だったかな。
自分がなにか欲しいものが、これによって得られるだろうっていうふうに予測された時に、ドーパミンが分泌されるんですって。
自分が欲しいものがこれをすることによって得られるよと。

セールに早く並ぶと、めちゃくちゃお買い得に洋服が買えるぞ。
だから並ぼう。
みたいな、「興奮するぜ」みたいなのは、自分の好きなお洋服が安く買えるんじゃないかっていう報酬予測があって、そこでドーパミンがまず分泌されて、実際にセールに並んで、自分の好きな品物が買えた時に、またドーパミンが分泌されるんですって。
報酬が予測される時と、報酬が実際に手に入った時に、ドーパミンっていう物質が分泌されて、ドーパミンが分泌され続けると強化学習って言って、その仕組みでまた興奮したいっていうふうに思うようになるんですって。
だから、悪い例でいくと、パチンコっていうギャンブルで興奮する習慣のついてる人っていうのは、パチンコをすると、自分の興奮を満たしてくれるっていうのを脳がインプットするので、もっとパチンコをやりたいって、そのやり方で興奮したいっていうふうに強化されるようになるんですって。
だから、悪い習慣を繰り返すことによって強化学習がされてしまうと、後に引けなくなっちゃうわけですよね。

スマートのショート動画って、辞めたいって思いつつも、ついつい夜寝る前に1時間ぐらい見ちゃうんだよね。
短い時間で興奮させてくれるコンテンツは、ショート動画を見ていると興奮を提供してくれるんだっていうのが報酬予測としてあって、実際見ると、ものの30秒とかで興奮を満たしてくれる。
じゃあもっと次のやつが見たい。
次のやつが見たいって言って、1時間ぐらい強化学習によって見てしまうっていうのが、いわゆるショート動画のカラクリなんだと思うんですよ。

実際それを見ることによって人生が豊かになるんだったら見たらいいと思うんですけど、もっともっとやりたいことがあるのに、ついついスマホを見てしまうんですよ。
ということであれば、やめた方がいいわけじゃないですか。
他のことに時間費やしたいんならね。
その場合はやっぱり脳の傾向である、自分が一度得られて報酬がわかっているものを何回も繰り返したいっていう強化合宿のメカニズムを断ち切らなきゃいけないから、スマホを見る習慣なり、ギャンブルする習慣なり、お酒を飲む習慣っていうのをほどほどに控えて、他のことできちっと自分が望むべき形でドーパミンの分泌っていうのをコントロールしていった方がいいよねっていう話なわけですよ。

あんまり感覚的に生きすぎていると、ドーパミンが変な時に分泌されるように強化学習されてしまうので、さっきのスマホとかギャンブルの例みたいにね。
だから、ここは意識的に自分の中で目的を持って、例えばTOEICで何点以上取るぞみたいな目標を掲げたらね、それに向かって勉強して、少しずつ点数が伸びていったらいいわけじゃないですか。
いまは何点までしか取れなかったけど、次やった時は何点取れたぞっていうね、実力が上がっている実感が持てれば、それが強化学習になるわけですよ。
この勉強を続けていたらこういう成果が得られるかもしれないっていう報酬予測があって、実際に点数が上がったぞっていうのがあったら、実際に報酬が得られたことによる快楽が起きて、それが繰り返されると、どんどん勉強して点数を上げていきたいっていう向上心につながっていくから、自分の中でドーパミンをコントロールするためにも、小さな目的を持って生きていくっていうのが大事だと思うんですよね。

あんまり果てしない目的を立ててしまうと、いつになったら達成されるのかわかんないからさ、自分の中で報酬予測が立てづらいわけですよね。
5年後達成するかもしれないみたいなことだと、いまいちピンとこないから、あんまり報酬予測っていうのが働かなくて、そこであんまり興奮することができないからなかなか長続きしないとかってあるけど、それをもっともっとちっちゃい目標にするとかね。
僕はTOEIC受ける気ないけど、TOEICで900点以上取りたいなと思ったら、初めからそこを目指すんじゃなくて、初めは500点ぐらい頑張ってみようかっていうところから始めるとかね。
そこから5、10点、20点みたいなさ、そういうふうに刻んでいけば自分の中でイメージできるから、強化学習にもつながりやすいですよね。

その人が生きていく上でどういうふうになりたいのかっていうのは違うと思うから。
「なりたい自分」みたいなものがもしあるんであれば、ドーパミンっていうのを、「なりたい自分」に近づくようにコントロールしていくのがいいんじゃないかなっていうふうに思いますね。

僕も一時期ね、すごいね、ショート動画にはまっちゃった時があって。
やっぱりそれって、ショート動画が面白いから見てるっていうよりは、さっき言った強化学習によって、自分の中でショート動画を見たら興奮するからいいってことがどんどん強化されちゃって、だらだら見るようになっちゃってたんだと思うんですよね。
自分にとっては、それはあんまり心地よいことではないっていうか、あんまり本望なことではなかったから、今はね、ほとんど見ないようにしているけれどもね。

人間の行動力の源泉となるドーパミンではありますが、変な方向にも行きやすい物質ではあるからね。
変な方向に行きやすいっていうか、やっぱり、商業の仕組みが人の興奮を駆り立てやすいようにできているから、それに踊らされてしまうと、人生が豊かじゃなくなってしまうっていうのがあるから。
やっぱりね、自分の中で小さい目的を持ちつつ生きていくっていうのがいいんじゃないかな、なんていうふうに思いますね。

うん、だから、自分が音声配信してるのも、そうかもしれないですよね。
自分は、おしゃべりするのが好きだからさ。
定期的におしゃべりをして、おしゃべりをしたら自分は楽しいっていうふうに思えるんだな、みたいなことで、報酬予測と、実際の報酬を得るという行為と、強化学習みたいなのが繰り返されて、500回近くも配信をしているような形になってるんじゃないかななんてふうに思いますね。

そんなところで、今日は終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。