オンライン喫茶 4th place
オンライン喫茶しゃびのオフなひととき(テキスト)

496.純喫茶のすすめ

最近、カフェに行くときにね、純喫茶に行くようにしているんですよね。
いつも純喫茶に行くわけじゃないんだけど、できる限り、昔からある喫茶店に足を運ぶようにしようって思っていて。

やっぱり、コロナ時期を乗り越えてさ、コロナどころじゃないよね。
50年前からあるとしたら、もう1970年代くらいからあったりするわけじゃないですか。
いろんな波を乗り越えて今もある喫茶店っていうのは、なにかしら、そのお店が求められている理由みたいなところがあると思うんですよね。
そういう喫茶店って、お店によって特徴もまちまちだし。
だから、初めて行く場所とか、なかなか足を運ばないような場所に行った時には、純喫茶みたいなお店を探して行くようにしているんですよね。

おすすめの純喫茶を紹介しても、みなさんが近くに住んでるかどうかわかんないから、それはしないでおくとして。
純喫茶のいいところってね、その喫茶店が営んできた時間を受け取ることができるっていうところが、僕はすごくいいなっていうふうに思うんですよね。

例えば、50年やっていた喫茶店が、ほんとは1年前にオープンしました、みたいなことって絶対ないわけですよ。
その50年なら50年、それなりに長い時間経たないと今の状態にならないだろうっていう、そういった佇まいが絶対あるわけですよね。
例えば、看板が古びていたり、お店の中の木なんかが傷ついていたりとか、なかにはさ、手書きのメニューとかあったりするけど、その手書きのメニューが時間とともにどんどん古びてきたりとかね。
そういった、時間とともにあるものってあるじゃないですか。
そういうのはやっぱり新しい喫茶店とかカフェには出せないものだったりするわけですよ。
その代わり(新しいお店は)小ぎれいだったりはするわけだけど。
そういう時間経過を、コーヒーを飲みながら味わうことができるって、すごくいいじゃないですか。

僕は元々ね、そんなにカフェ好きなわけじゃないんですよ。
めんどくさいから、チェーン店のスタバだとか、なんならファミレスだとかで済ませりゃいいよねって思ってたタイプだったんですけど、そもそもチェーン店自体が、僕はそんなに好きなわけじゃない。
別に嫌いじゃないですよ、行ってるからね。
だから、カフェってそんなに、取り立てて好きじゃなかっただけであって。
古くからあるお店に行ってみたらね、俺は(そういうものが)好きなんだなと思いましたね。

古い喫茶店が好きだという感覚を抽象化した時に、じゃあ僕はなにが好きなのかなって思ったら、やっぱりね、人なんですよね。
「人」を感じるっていうのが僕は好きなんだなと思いました。

人が何十年もやっていれば、何十年経っただけの人の出入りがあるわけじゃないですか。
お店で働いている人も、いろんな人とやり取りをしながら今があるわけじゃないですか。
そういった人が作ってきた空間なんだなっていうのを感じたいってことなんだと思うんですよね。
「人」を感じたいんですよね。

それってね、そういう設計ができているチェーンのお店もあると思うんですけど、やっぱり「どこの店に行っても同じサービスを提供します」っていうルールのもとだと、なかなか培われないところではあると思うんですよね。
もちろん、今ある有名なチェーンのカフェっていうのも素晴らしいとは思うんですけど。
やっぱり文化の築かれ具合っていうのは、そういう1店舗だけでやってるお店に比べると弱いのかなっていうふうに思いますね。
もちろん店長さんとかさ、店員さんの色とかもあるからね、雰囲気とかは、それはもちろん違うとは思うんですけど。

この間の放送(494.少しのコミュニケーションを大事にする)でジモティーの話をしたじゃないですか。
それもそうなんですよね。なにかを譲り受けるっていう場合も、以前使ってた人がどんな人なのかなっていうことを感じながら、その物の受け渡しがされるっていうのが、僕はすごくいいなっていうふうに思いましたし。
これは人それぞれ分かれるかもしれないんだけれども。

僕はなにをするにしても、人と話すっていう時は「人」を感じるわけじゃないですかね。
人だからね。
でもやっぱり空間とか物とかっていうのは、それ自体が人なわけではないから、その出会い方を考えないと、そこに「人」っていうのは感じづらいわけですよね。
だから、できるだけ僕は人と人を感じられるような場所や物との出会い方をしたいんだろうなっていうのをね、なんかすごく感じたんで、今回はね、純喫茶に行ってますよっていう話をさせていただきました。

皆さんどうですかね。
ふだん、物とかを買ったり、いろんな場所に行ったりするっていう時に、その人の好みが出ると思うんですけど、皆さんの考え方とかも教えていただけると嬉しいな、なんて思います。

はい、今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。