世の中にはいろんな仕事があるわけだけれどもさ、仕事ができるとか仕事ができないっていうことの条件ってなんなんだろうな、みたいなことを、この間ふと思ったんですよね。
業種によって求められる能力っていうのは違うから、なにをもって仕事ができるというのかはそんなにざっくり問わないというかさ、やってる仕事によって違うよねってことだとは思うんだけど、どういう仕事であっても、共通してこれは絶対大事だよねってことがあるんじゃないかなって思うんですね。
僕はそれって想像力じゃないかなって思うんですよ。
想像力って、なにかを作り上げるっていう想像力じゃなくて。
そういうクリエイティブな想像力はもちろんあった方がいいんだけど、なにかを作り出すっていう意味での想像力は、一番大事な要素ではないと思うんですよね。
すごく大事な仕事って、クリエイティブなことが一番大事だっていうような業種っていうのはもちろんあると思うんだけど、作り出す方の想像力っていうのは、まあ置いといて、想像する方ね。
頭の中で想像する方の想像力っていうのは、どういう仕事をしていてもめちゃくちゃ大事だし、頭の中に思い描くという方の想像力が欠けている人っていうのは、仕事的にはちょっと、うーんっていう人が多いと思うし、想像力がある人は、やっぱりさすがだな、仕事できるなっていう人が、どういう職種であっても多いんじゃないかなっていうふうに、僕はなんとなく感じるんですね。
僕自身がいろんな職種で仕事をしてきたわけじゃないから、それは僕がなんとなくそう思っているだけで、実際はどうか知らないよ。
でも例えばお客さんとしていろんな業種の人に接することはあるわけじゃない。
ごはんを食べに行ったら、カフェのスタッフの人とか、ホールの人とかと話すしね。
買い物に行ったらそのお店の人と話すし、最近引っ越し作業をしてるから、不動産屋の人と話したりさ、スマホのキャリアを変えたら、お店の人としゃべったり。
いろんな仕事があるけれども、やっぱね、想像力が欠けてるっていうのはけっこうきついなって思うよね、正直。
僕、営業職なんだけど、例えばお客さんからなにか問い合わせを受けたとした時に、例えば「こういうことがしたいんだけど、いい提案ないですか」って営業の人が聞かれた時に、「こういうことがしたい」っていうのは叶えられなかったとするじゃないですか。
それはできないんですよねって、端的に言うと、そういうことだったとするじゃないですか。
お客さんから「こういうことってできないんですかね」って言われた時に、「すいません、それってできないんですよね」って答えちゃう人って、ちょっと残念だなと思うんですよね。
これがどう想像力と関係があるかっていうと、お客さんはなにかを期待してこちらに通ってるわけじゃないですか。
「こういうことはできませんか?」って。
それを「できません」って言っちゃった時に、お客さんはもう完全にはしごを外されて、がっかりするしか方法がなくなっちゃうわけですよ。
でも、できないもんはできないわけですよね。
お客さんに言われたところで、できないものをできるようにしてあげられるんだったらいいけど、そのお客さんの願いを叶えてあげられないっていうことっていうのは往々にしてあるわけですね。
そういう時、想像力がある人っていうのは、代替案をどうやって示すかっていうことについてちゃんと考えられると思うんですよ。
ここで「ダメなんです」って言ったら、お客さんはすごくがっかりするだろうし、相手に対しても嫌な気持ちが残るだろうなって。
断られちゃったな、みたいな感じで。
その中で、お客さんが言っていることには応えてあげられないんだけども、「例えばこういう方法があるんだけどどうですか?」って。
それが相手にとってすごくいい提案じゃなかったとしても、こっちで誠心誠意考えて、こういう代替案があるんですけどどうですかって、中身はどうあれなにかしら提示するっていうのは、相手のお客さんが「はしご外されたな」「嫌だな」っていう気持ちだけが残らないようにできる、こちらからのせめてもの気遣いじゃないですか。
僕はね、この代替案を示すっていうのはすごく大事だなと思ってて。
部下とか後輩にもたびたび言うんですよね。
「〇〇できないからできません、って答えればいいですかね」って言われたら。
「できません」って答えるのは誰だってできるわけじゃない。
その時にどうやって代替案を示すかっていうのが大事だと思うよ、って常々言うんだけど、そこが想像力だと思うんですよね。
お客さんに対して、ただ無下に断る。
いや、それじゃ相手はどう思う?っていうことを想像して、なにかしらの代替案を提示する。
もしかしたらあんまり相手の望んだ代替案にはできないかもしれないけれども、相手のそのオーダーがどういうものかによるけどね。
でも、やっぱりそういう姿勢が大事なような気がするんですよね。
僕は営業職だから営業の話になっちゃうんだけど、どういう話のプロセスをしたら、相手は気持ちよくその話をイチから最後まで聞いてくれるかなっていうね。
この間ね、些細なことだけど、うまいなって思った出来事があってね。
スマホのキャリアを変更するために、楽天モバイルのショップに行ったんですね。
家族3人の全員のスマホのキャリアを、今までmineoを使ってたんですけど、楽天モバイルに変えようと思って、楽天モバイルのショップに行ったんです。
別にショップに行かなくても契約できたんだけど、なにしろ3つも契約があるから、ちゃんと店員さんの話を聞きながらやろうと思って。
その時にすげえ時間かかったんですよ。
3台あるから、2、3時間かかったの。
こっちもさ、疲れちゃうじゃん。
スマホのキャリア変えるための手続きって。
で、最後にアンケートに答えてほしいっていうのを言われたんですよね。
たぶんそのアンケートで、自分に対して「良かったです」みたいなフィードバックがあると、その人の評価が上がるんだと思うんですよね。
その店員さんの名前を入れる欄があったから。
だから、その店員さんにとって、アンケートに答えてもらうっていうのは大事なことなんだと思うんですけど、なにしろ僕らはその手続きをするのに2時間も3時間もかかってて。
その2時間、3時間やった最後の最後でさ、「じつはこのアンケートに答えてほしいんですよ」って言われたら、「じゃあ後で答えときますよ」って言いたくなっちゃうわけですよ。
こっちも疲れてるから。
でもイチから考えてアンケートに答えるのめんどくさいな、早く帰りたいなってなっちゃうから、最後に「じつはアンケートに答えてほしいんです」ってやるのは、アンケートに答えてもらえる可能性を下げると思うんですよね。
でも、その店員さんがちょっとうまいなと思ったのは、最後の最後に言うんじゃなくて、手続きが後半に差し掛かったあたりで。
「手続きで本部に電話するので、少し待っててくださいね」っていう待ちの時間が訪れた時に、「ちょっと前後しちゃうんですけど、アンケートに答えてほしいので、待ってる間に答えててもらっていいですか」って言って。
それで僕らはアンケートに答えてたんですよ。
待ってる時間って手持ち無沙汰だから、じゃあ暇つぶしにアンケートでも答えるかって言って途中まで答えてたら、「すみません、お待たせしました。じゃあ先に進めますね」って。
僕らはもう半分アンケートに答えてるから、あと半分やってもらえませんかって言われたらさ、半分だけをやって終わらせちゃうのも気持ち悪いから答えるじゃん。
こんな何時間もかけた後にアンケートに答えさせたら相手はすごく疲れちゃうだろうから、途中でこのアンケートに答え始めてもらって、最後に残りの分だけやってくださいってことであれば、お客さんの心理としてアンケートに答えやすいだろうなっていうことを想像して。
その店員さんはアンケートに答えてもらうタイミングを二度に分けて、途中の手持ち無沙汰な時間の中に入れたっていう。
なにげないことなんだけど、こういうのってすごい上手だなって思うんですよね。
でもそれは、相手がこの時間についてどう感じているかっていうのを想像できてないと、杓子定規に最後に言ってくる人って絶対いるんですよね。
だから、こういう意味でも、想像力って必要なんだろうなって思うんですよ。
相手の心理を読んでプロセスを考える、みたいな。
想像できてない人っていうのは、どういう仕事をしていても杓子定規になってしまうし、杓子定規じゃやっぱりうまくいかないよねってすごい思うんですよ。
その場その場に応じて、そこにいる人たちのことを考えて、相手はたぶんこういうふうに感じるだろうから、こうしておこう、みたいな。
それって、「作り出す方の想像力」の方がかっこいいんだけど、それよりもよほど大事なことだと思いますよね。
「想像する方の想像力」ね。
自分が仕事をする上でも、ちゃんと想像力を持ってお客さんに接したいなと思うし。
どんな仕事をするにしても、想像力を持って仕事をするってことはめちゃめちゃ大事だなっていう。
だから、さっきの楽天モバイルの人を見てても思うし。
どこででも感じるんですよ。
「なんで今、それ言うかな」とか、「なんで今、それするかな」とか。
想像力が足りてないなって。
お客さんながらに思ってしまうケースもあるし、逆にすごいなって、そこまで考えて人と接するなんてすごいなっていう店員さんとかさ、仕事してる人とかっていうのもあるしね。
仕事をする上で一番大事なことは想像力なんじゃないかな、なんてことを最近自分でも思うし、職場の部下とか後輩を見ていても思うし、自分がお客さんとして誰かに接していても、すごい感じるんでね。
今回は、仕事をする上で大事なスキルというところで、想像力っていうのを挙げてみました。
こういうことを意識するだけでもずいぶん違うと思うので、みなさんが仕事をする上でもね、少し想像力っていうことを意識した上でやっていただくと仕事のはかどりも変わるんじゃないかなと思ったので、今日はそんな話をしてみました。
はい、今日は、そんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバーイ。