オンライン喫茶 4th place
オンライン喫茶しゃびのオフなひととき(テキスト)アーカイブ

16.人間関係で最も大切なこと

今回お話したいのが、うちの家族で起こったエピソードなんですね。

去年起きた、僕と妻との小競り合いの話なんですけど。
事の発端は、僕が頼んでいたことを妻がいつまでたってもやってくれてないっていう、そこが発端なんですよ。
なにかっていうのはどうでもいい話なんですけど、僕ができないことで、妻ができることだったから、妻に頼んだわけですよ。
やっといてねって言うんだけど、1ヶ月ぐらいやってなかったのかな。
ずっとやってなくて、「あれどうなったの?」って。
「じゃあ、今週中にやっておくわ」みたいなことがそのあと起きて、とりあえず今週末までにやってくれるんだったらいいかと思って待ってて、週末土曜日に「あれどうなったの?」って確認したら、「まだやってないわ」みたいな。
返ってきたわけですよ。
で、僕もちょっとイラッとして、「なんでやってないの」って聞いたんですよね。
ずっと先延ばしにしていて、今週末までにやるよって言ってたのに、なんでやってないのかなと思って。
だって、やるって言ったのになんでやってないのって言ったら、「ちょっとやりたくなくてやってないんだよね」みたいな。
じゃあ、仮にやらないんであれば、元々今週末までにやるって話なんだから、「今週末にやるって言ったけども、ちょっとできそうにないよ、いつまでに延ばして」とか言ってほしいよと。
なんで言わないで、いざ週末になって「やってないわ」ってなるわけ?って怒ったんですよ。
そしたら妻が「もうそんなこと言うんだったら、私やりたくないよ、そういう言い方するんだったら」って怒り返してきて、「いや、そういう言い方もなにも」ってなったわけですよ。
「そういう言い方もなにも、そもそも、絶対に今週末までにやらなきゃいけないって言ってるんじゃなくて、伸ばすんだったら伸ばすって言ってくれれば、わかったってなるじゃん」っていうんで、言い争いになったんですよね。
「じゃあ、もういいよ、私これやらないわ」みたいな感じで終わったんですよ、その話が。

娘はそれを、あんまり関係ない話だから、あんまり関心なさそうにして、同じ部屋にいたんですよね。
で、そのあと、その日に娘とお茶しに行ったんですよ。
2人でお茶しながら、ちょっと娘に聞いてみようと思って。
「あの話ってどう思う?パパの言い分が間違っているとは到底思えないんだけど」って言ったんですよ。
だって、この日までにやるって言っていたことをやらないと。
やらないんだったら言ってほしいって言ってるだけなんだから。
パパ、正しいと思うんだけどねっていうふうに言ったら、娘がこう言ったんですよね。
「パパの言っていることは正しいと思う」と。
で、「ママの言っていることもママの言ってることで、べつに間違ってないような気がする。どっちも間違ってないような気がするよ」みたいな感じで答えたんですよ。
そうかそうかって聞いてたら、娘がその後に言ったことに、ああ、と思って。

この話に関しては、どっちが悪いっていうのはちょっとわかんないんだけど、当時、娘が夏休みだったんですよね。
ちょうど1年前。
1年前、夏休みかなんかで、ずっと娘は家にいたんですよね。
それで娘が言うには、今の期間、ずっと私は家にいてね、遊びに行ったりもしたけど。
それをうちの妻、娘にとっては、ママはずっと見ていてくれたんだと。
そのことでママはたぶん自分のやりたいこともできずに、自分が出かけたいとかっていうことも叶えられずに、ずっと、娘のお世話をする…って年齢でもないですけど、娘、当時小学4年生だからね。
ずっと付き添っていたんだよ、と。
「だから、ママは自分の時間がこの1ヶ月ほとんどなかったと思う」と。

「ママにも自分の時間を作ってあげた方がいいんじゃないのかなって私は感じたよ」っていうふうに言われて、「ああ」と思ったんですよ。
確かにそうなんですよね。
基本的には僕ががっつり働いていて、妻も働いてるんですけど、アルバイトでちょこちょこ朝の2時間ぐらい働くとかそういう感じで、週に1回か2回みたいな感じなので、基本的に家のことは日中、僕は妻にかなり任せっきりみたいなところがあって。
よくよく考えてみたら、当たり前なんですよね。
娘が家にいるというか、夏休みだからね。
宿題はどうなってるのかなっていうのを気にしたり、娘の日々の生活を確認したり、見守っててあげるっていうのは、ずっと妻がやっていたわけで。
その中で僕は「これやってくれない?」っていうのを頼んでいたわけですよ。
妻はたぶん、もともと自分の時間を今までよりも取れてない中でそれを頼まれていて、非常に億劫だったと思うんですよね。
そこへ来て、「なんでやってないんだ」っていうことを僕に言われたもんだから、すごく嫌な気持ちになって、そういうやり取りが生まれたっていうのが実際だったと思うんですよね。
それを娘に言われた時に、確かに、と思って。
僕は、僕が頼んでたことをやってなかったっていうことだけしか見てなくて、そういった側面がまったく目に入らなかったなっていうことを反省したことがあったんですよね。

感覚的にはさ、やっぱり家族なわけだから、そういうところも察してよっていうことはあるわけじゃないですか。
僕はまったく察することなく、そのひとつの案件だけ切り取ってすごく怒ったもんだから、それに傷ついて諍い事に発展したっていうところでね。
うん、なんかね、すごい僕も反省したし、多くのことがこういった構造なんだろうなと思ったんですよね。

客観的に見るとね、ごめんなさいって話なんですけど。
要は、当事者間の物の見え方ってまったく違う中で、物の見え方が一緒であるような錯覚をしてやり取りをするから、コミュニケーション不良って起きるなっていうのをね、すごい感じるんですよね。
人とやり取りするときは相手の立場に立って考えるっていうことが大事だよっていうのは常々言われてることなんだけど、所詮相手の立場に立って物事を考えるなんて、ある程度しかできないわけですよ。
妻みたいな身近な人間であれば、ある程度わかるようには心がけられると思うけど。
例えば会社の同僚だったりね、SNSで一緒にやり取りしてるとかさ、あとは地元の友達とか普段遊んでる人とか、そういう関係性だったら知ってる情報が少なすぎて。
だって一緒に会ってる時なんかごく一部なわけだからね。
コミュニケーションをしている時でも、やっぱりものの見え方、風景みたいなことってまったく違うと思うんですよ。

この僕の過ちを前提にして思うのは、人間関係って多くの場合、言語の中身っていうよりは、いかにお互いが配慮できているか、この配慮の部分っていうのが大事さのほとんどだなっていうね。
そういうことを思いますね。
配慮っていうのは、もちろんその相手のことをわかってあげて、相手の立場に立ってるっていうさっきの話もそうなんだけど、自分には見えていない風景があるっていうことを常に前提にして人と接しられているかっていうところが、まずその配慮の大前提かなと思うんですよね。
そこにプラスアルファの想像力っていうのが必要になってくる。
相手はどういう環境にあるのかなってことを想像できる力はめちゃくちゃ大事なんだけど、その前提の中で、自分が見えている景色と相手の見えている景色っていうのは、人と人が向かい合ったら全然違う風景が見えるのと同じように、まったく違うんだなっていうのはね、わかっておくべきだなっていうのは、自戒の念を込めてね、すごく思いましたね。

あのね、最近の例でいくと、僕はずっとThreadsっていうのをやっていてね、やってない人にはわからないかなと思うんで、そんなこともあるのかと思って聞いてほしいんですけど。
僕、Threadsでよく企画を立てているんですよね。
で、参加してくれる人がおかげさまでたくさんいて、すごく楽しいんですけど。
他にも企画を立てる人がいっぱいいて、企画に参加してくれる人がいてっていうことがね、Threads内ではたくさん起きているんだけども。
自分がやっていてもそうだし、他の人の話を聞いていてもそうなんだけど、企画を立ち上げる人と企画に参加してくれる人っていうのは、お互いの合意の上でというかさ、お互い気持ちよく過ごしましょうっていうことの上で企画を立ち上げて参加してくれてるっていうところでは一致してるんですけど、見えてる風景ってまったく違うんですよね。
なので、お互いが悲しい思いをするっていうことになりやすいんですよ、前の配信でも触れたことがあると思うんですけど(7.企画をしていて感じた、ギブとテイクの難しさ)。

例えば、Threadsってまだ新しいプラットフォームなので、通知機能が非常に弱いんですよね。
だから、誰かがコメントしましたとか、誰かが再投稿してくれましたとか、引用投稿してくれましたみたいなことも、かなり通知が漏れてるんですよ。
うん、ものすごい漏れてて。
例えばそのコメントに返信ができない、漏れてしまっているとか、そういったことは度々起こるんですよね。
すごくじっくり見てれば漏れないと思うんですけど、すごくじっくり見てたら、一日かかっちゃうから。
その人の置かれた環境の中で、仕事とかをしながらやっている中で、許された時間の中でやるには、それをすべて網羅するっていうのは到底無理な話なんだけども、例えばその通知機能ひとつとっても、企画をする人の側から見える景色っていうのはそうなんですよね。
その中でも、せっかく参加してもらってるんだからっていうありがたい気持ちはすごいあるから、できるだけ漏れないようにしようっていうのはあるわけですね。

今度は逆の立場で、参加する人の立場になってみた時に、コメントが返ってこなかったとか、投稿した内容に対する反応がなかったっていうことが、例えば2度、3度起きたとして。
自分がその企画のタイムラインを見ると、(他の人には)普通にコメントを返してる様が見えると。
そうなった時に、自分だけがコメントを返してもらってないんじゃないか、自分だけがすごく嫌われてるんじゃないかとか、わざとそういう扱いをされてるんじゃないかって思うじゃないですか。
だって、その状況を見たら、そういうふうに見えるわけだから。
他の人には返しているけど、自分には返ってきてない事実があるから、この人は故意にこういうことをしているのかなっていうふうに見えてもおかしくないわけですよね。

そこで、なんでこういうことが起きるんだろうって、理性的な会話がされるんだったとしたならば、それで解決するとは思うんですよ。
実はこういうことで悲しい思いをしていると、コメントが2回、3回、返ってこなくてすごい悲しいんだけど、そういうふうになってることには理由がありますか、って。
いやいや、実はこういう理由があってね、みたいなやり取りがあるんだったらそんなに悲しい思いをせずに済むんだけど、そんなの、いちいちさ、コミュニケーションを取るものでもなかったりするじゃない。
こういう人なんだな、ってことでその関係性が終わってしまったりね、嫌な気持ちだけが残ったり、そういうことが多かったりするんだけど。
実際は、お互いの嫌な気持ちと嫌な気持ちの間には大きなすれ違いがあって、その原因は見えている風景がまったく違うからっていうことって、やっぱりこのSNSひとつ取っても起きるわけですよね。

これはもう、仕事をしてようが、家族の関係だろうが、友人関係だろうが、基本的に1対1で話していることであっても、見えてるものが違うってことは知ってる情報が違うし、どこを重要と思っているかも違うわけで。
その上で、言葉とか表情とかを見て、お互いに汲み取りながら会話をしているに過ぎないからね。
自分は相手のことをわかってない、っていうことを常に頭に入れてコミュニケーションを取っていないと、さっきの妻の例みたいにね、ひどいことをしてしまうというかさ、強く言ったりしてしまうなっていうふうに思ったので、今回はね、そういうお話をさせていただきました。

今回のテーマとしてはね、物事すべて配慮が大事って当たり前なんだけど、普段僕らが思っているよりも配慮って大事なんだなっていうね、そういうお話をさせていただきました。
はい、今回もそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。