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オンライン喫茶しゃびのオフなひととき(テキスト)

504.好きなもの、役にたつもの

前回の放送(503.「不安」を軽減する方法)でもお話ししたんですけど、今、引っ越し作業をずっとしていて。

でね、この間ね、なるほどなって思ったことがあって。
家具のバイヤーさんの人とね、話したんですよね。
その人が家具をいろいろ仕入れて、倉庫に置いてあるわけですよ。
そのバイヤーさんが仕入れた家具を。
直接倉庫に見に来てもらえるんだったら、物によりますけど格安で譲りますよ、みたいなのがあって、ちょうど近かったから行ってみたんですよね。
そこで、家具屋さんの人といろいろ話しててさ。

引っ越すってなった時に、どうしても自分はときめくものとか、かっこいいなとか、好きだなっていうものを取り揃えたくなっちゃうんだけど、引っ越しの鉄則としては、必要最低限で引っ越すっていうのがいいんでしょうね、みたいなことをね。
その家具のバイヤーさんに言ったら、その人が「いや、好きなものをひとまず揃えた方がいいと思いますよ。だってそこにしばらく住むんですから。やっぱり好きなものに囲まれてないと、気持ちも落ち込んで来てしまいますし」っていうようなことを言ってたんですよ。
その人自体が家具好きでさ、そういう仕事してるからそう言うんだなとは思うんですけど。

結局僕はわりかし好きなものを初めに買っちゃって、引っ越してきたんですよ。
必要最低限にせずにね。
そしたらね、結果的には正解だったんですよね。
やっぱり自分がすごく選んで、愛着を持って招き入れた家具だったり、電化製品だったりするわけですよ。
逆にそういうものを選ぶために時間を取っちゃったから、必要なものが足りないってことがめちゃくちゃ起こってるんだけど。
だとしても、例えば、椅子とかって初めはなくてもいいかなって、ちっちゃいテーブルだけあって、座ってご飯食べりゃいいんだから、みたいなこともあるんだけども、どうしても欲しい椅子があってさ、で、それを買ったりさ。
テーブルもけっこう探してさ、木でできた可愛らしいやつがあったんだけど、丸いやつね。
そうしたことによって、部屋に対する愛着感が尋常じゃなく湧くわけですよね。
「自分の部屋感」っていうかさ。

でも食器関係なんかは全然揃ってなかったんですよ。
コーヒーを飲むやつぐらいしか買わないで来ちゃったから、やべえ、慌てて揃えないと、みたいにはなったんだけど。
あと、消え物っていうかさ、洗剤とかそういうものもまったく揃えなかったから、あ、やべえ、洗えねえわ、みたいなさ。
そっちの方がほんとは大事じゃん。
大事なんだけど、どうしてもね、ティッシュ入れとかね、ティッシュ入れなんか、もうマジでいらないじゃん。
ティッシュなんて別に単体で使えるんだから。
でも、ティッシュ入れが欲しいなとかさ、そういうことをやってて、そしたらね、やっぱり気分的にもいいなっていうのはありますね。

前回、不安についてお話をしましたけど、例えば仕事で転勤があるとかね、そうすると、ちょっと不安な気持ちになるじゃん。
そういう時に、新しい部署ってどういうところなのかな、みたいなことを下調べするのももちろん大事なんだけど。
それよりも、自分のお気に入りの文房具を一個買ってみるとか、それを機に手帳をちょっといいやつに買い換えてみるとか、仕事用の靴をちょっと奮発してみるとかさ。
そういうふうにすることによって、新しい部署に行くときに心強さみたいなのが自分の中で芽生えるじゃん。
だから、自分の好きなものを身につけたり、自分の身の回りに置いたりするっていうのは、新しいことが起きた時にはけっこういいかもしれないですよね。

逆に言うと、日常の中で自分の好きなものを持ち続けるっていうのももちろんいいと思うんだけど、やっぱり愛着とともに生きるっていうのはさ、すごくいいもんだなっていうふうに思いますね。
今は100均とか、amazonとか、SHEINとかTemuみたいな安いショップって、いっぱいあるじゃない。
それである程度は揃えられるんだけど。
全部が全部愛着って言うといつまでも先に進まないけど、そういったリーズナブルなものを使いつつ、いくつかだけは、自分が非常に愛着を感じるものを選ぶっていうのはね、いいような気がしますね。
あんまり妥協したもので囲まれない方がいいっていうかね。

その分お金も多少はかかるんだけど、だから全部を全部それで揃える必要はないと思うけど、やっぱりひとつやふたつはね。
家で過ごすときのカップとか、仕事に行くときの鞄とか。
全部身なり一式、自分の好きなものにするっていうと大変だしお金もかかっちゃうから、ひとつだけでも、みたいなね。
お守りみたいなもんでさ、そういうのがいいんだろうなっていうふうに思いますね。

僕はどっちかっていうと、愛着至上主義というか、なんでもかんでも自分の好きなものを吟味したくなっちゃって、いつまでたっても決まらない節があるから。
僕はちょっと大概にした方がいいよねって思うところはあるんだけど。
(好きなものを持つ)良さとしては、日々ちょっとウキウキするっていうかね、嫌なことがあっても、それがあるだけでちょっとウキウキ感あるみたいなさ、そういうことはあるので。

合理的に物事を考えたり、選んだりする傾向の強い人は、それはすごくいいことだから。
その中でひとつ、なんか非合理的だけれどもすごく好きなものみたいな。
合理的なものが好きっていう人もいるからね。
すげえ合理的だわ、愛着湧くわ、みたいな人もいるから、そういう人はどこまでも合理的なところに走るのがいいんだろうなとは思うけれども。

ともあれ、自分のフェチズムを満たすようなものにある程度囲まれて生きるみたいなね、そういうのはいいような気がしますね。
そんなわけで、今回は終わりにしようかと思いますけれども、よかったら是非。
4月からは何事も変化の時ではあるからね。
4月って新年度だからね。
そういう自分の好きなものをひとつ、ふたつ買ってみてはいかがでしょうか。

というところで、今回のお話を終わりにしたいなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。