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17.「考えてる」は考えてるうちに入らない

今回お話をしたいのが、「考える」っていうことについて考えてみたいなと思うんですけど、非常に哲学っぽいですね、「考える」について。

「考える」っていうね、たぶん哲学者か誰かがそういうことを言ってそうですよね。
「『考える』とはなにか」みたいなね。

で、僕は哲学者でもないですし、頭のいい人でもないので、そういう小難しい理屈っぽいことを話したいっていうわけじゃなくてね。
「考える」って、頭の中でいろいろ思い浮かべる、みたいなさ。
そういうイメージあるじゃないですか。
頭の中であれこれね、考え事っていうわけだから。

でもたぶん、頭の中で考えているって、考えているうちに入らないなって常々思うんですよね。
だって、頭の中で考えているんだったら、その多くのことが実行不可能なことでない限りは、実行されて然るべきじゃないですか。
時間がなくてできないとか、体調が悪くてできないとかあるかもしれない。
(考えていることが)やることじゃないかもしれないけどね。
「考えている」っていうのが、頭の中に「それ」をとどめている状態って、じつは考えてないんじゃないかなってね、すごい思うんですよ。

例えば「落ち着いたらヨーロッパに旅行したいな」って頭に思い描いてたとするじゃないですか。
でも、「落ち着いたらヨーロッパに旅行したい」人ってたくさんいると思うんですけど、実際に落ち着いてヨーロッパに行った人ってあんまりいないと思うんですよね。
たぶん一握りだと思うんですよ。
それは「落ち着いてないからヨーロッパ旅行ができないんだ」っていうふうに考えることもできるんですけど。
「落ち着いたらヨーロッパに旅行したい」って言っている人が、例えばそのプランを10年間寝かしておいたとして、その10年間、ほんとに片時も落ち着くタイミングがなかったのか、落ち着けることはできなかったのかって考えると、そういうわけでもないような気がするんですよ。

「落ち着いたらヨーロッパに旅行したいな」って頭の中に思い描いた時に、じゃあ落ち着けるためにはどういうふうにしよう。
例えば、仕事を4月から9月ぐらいまでの間、しこたま頑張って、10月に1ヶ月休みをもらえることができれば、ここで旅行できるかもしれないけど、1ヶ月はさすがに難しいか。
でも、ヨーロッパに行くだけだったら、1、2週間あればいいかなって考えた場合ね。
「5泊7日くらいで、そうすると5日間休みを取ればいいのか」みたいなことをさ、プランを立てて、それが実現可能かってやってみたら、たぶん頭の中で「落ち着いたらヨーロッパに旅行したいな」って思って、実際ヨーロッパに行ってない人の中の半分ぐらいは実際に行かれている気がするんですよね。

僕もそういうことがいっぱいあるなと思うんですよ。
あれがやりたいな、これやりたいなって言って、ずっと寝かしていることってたくさんありますからね。
だから、実際それって考えてないんだと思うんですよ。
「ヨーロッパに旅行したい」って思ってるわけじゃないんだと思うんですよね。

頭の中で思い描いている「ヨーロッパに旅行したいな」っていう状態が考えてない状態だとして、じゃあ考えてる状態ってどういう状態なのかなってなった時に、やっぱり表に出す必要があるんだと思うんですよね。
例えば「落ち着いたらヨーロッパに旅行したいな」ってひとりごとを言うとか、「落ち着いたらヨーロッパに旅行したい」って書くみたいなことって、一歩前進だと思うんですよね。
20%ぐらい考えてるんだと思うんですよ。
やっぱり自分の中で言葉で発してしまうと「思ってるんだ」って自分で思うじゃないですか。
自分の声を聞いちゃってるからね。
書いたら、書いてるのを見ちゃってるから、耳か目でそれを実際に確認してしまっているので、行きたいんだって思うわけですよね。

たぶんこれは20%ぐらい考えてると思うんですよ。
それをSNSに投稿するとかさ、雑談の中で誰かに話すっていう、人目に晒すっていうことをした時点で、これが半分ぐらいになると思うんですよね。
50%ぐらい考えたんだと思うんですよ。
だって、表明しちゃってるからね。
表明しちゃったなって気持ちになるじゃないですか。
ほんとに行きたいって証明しちゃったんだもんね、ってなるから、50%ぐらい考えてると思うんですよね。

それがもう、「これはまさに考えているな」っていうふうになってくるのが、リアクションがあった時だと思うんですよ。

「考える」ってインタラクティブな、双方向な話な気がしていて。
例えば「落ち着いたら旅行したいなと思ってるんだよね」ってSNSに投稿したときに、誰かが「じつはそれ、この間実現して、パリに旅行してきました」と。
で、「パリで〇〇を食べたらすごいおいしかったので、あれはヨーロッパの中でもおすすめですよ」とか、「オランダに行って風車を見たのがすごく良かったですよ」とかさ、そういうことを聞いたり、コミュニケーションを取ったりした時点で75%とか80%ぐらい「考えてる」と思うんですよ。
具体が生じてきているじゃないですか。
もしかしたらさ、「じつはこういう方法を取ると安く行けるんですよ」とか、「休暇の取り方をこういうふうにしました」みたいなことを誰かとおしゃべりしてたら、「私、旅行が好きでね」なんて教えてくれた日にはさ、ちょっと実現に一歩近づくわけじゃないですか。
これはもう75%ぐらい「考えてる」と思うんですよね。

100%っていうのは、それを踏まえた上で現実的なプランを立てた時だと思うんですよ。
じゃあ行きたいんだとしたら、今行くのか、いつ落ち着くんだろうかとか、いつ落ち着けようとするのかっていうことについて考えて、料金的なことだとか、そういったことを現実的にプランとして書き出すなりして、組み立て始めて初めて「考えた」っていう土台に立つっていうのがね、僕はあるような気がして。

「落ち着いたら旅行したいな」みたいな話って、僕はあんまりないんですよ。
旅行したいほうじゃないんで。
旅行したいほうじゃないんだけど、やりたいことってすごいたくさんあって、やりたいことの多くはやろうとしてねえなってすごい思うんですよね。
それって、じゃあやりたいと思ってるのかって言ったら、思ったうちに入らないな、みたいなのがあるんですよ。
だから、表明した方がいいと思うんですよね。

で、たぶんね、すっごくやりたいことって表明しづらいんだと思うんですよね。
すっごくやりたくて、実際やってないことって、やりたいんだけどすごく抵抗があるとか、失敗したらやだなとか、表明するのが怖いことだから頭にとどめておくだけで。
そんなこと絶対叶うわけないじゃないですか。
実際やったら人の目にも留まるわけでね。
だからそれ(表明しないこと)は全然実現されないことであって、考えてないのと一緒なので。
自分の中で表明したくはないなと思いながら「えいっ」て表明するとね、やっぱりこれはもう一気に頭の中で思い描いてたんだよねっていう。

いわゆる「考えてるふり」もエアーシンクですよね。
(表明することは)エアーシンクから一歩出て、リアルシンクに変わっていく瞬間なんだろうな、なんてね、僕は思いますね。
自分がやりたいことを思った時は、この配信で言うことにしようかなって思いましたね。
そしたらさ、SNSで言ったりして、誰かが聞いているわけだから、半分ぐらいは少なくとも考えたことになるわけじゃないですか。
誰かがコメントを返してくれたら75%ぐらいいくわけでね。
そしたらけっこうブーストできるので、やりたいなと思ったら、こういうところで配信していこうかなと僕は思います。

皆さんもね、頭の中で寝かせていることがあったら、まずは文字に書くなり、ひとりごとで言うなりから始めていただけると実現味を帯びてくるんじゃないかな、なんていうふうに思います。

はい、今回はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバーイ。