僕はこの「オンライン喫茶しゃび」っていう喫茶店を経営しているわけですけど、これは僕の仕事ではもちろんなくて、本業はね、普通のサラリーマンなんですよ。
営業職しているんですけど、その傍らいろんな活動をしていたりします。
オンライン喫茶もひとつの活動だし。
こういう音声配信してるのもひとつの活動かもしれないし。
お芝居をね、僕は役者としてやっていたり、あとは教育関係の事業に携わっていたり、ちょこちょこやっているんですよね。
その中で、この間ね、ひとつ演劇に誘ってもらったんですよ。
演劇に出ませんかって。
それが来年の2月に公開されるものでね。
演劇なんで、その前に訓練というか稽古して仕上げていくわけですけど、結果的に言うと、僕はそれを断ったんですよ。
出られませんっていうことでね。
それはなんでかっていうと、出たくなかったとか、脚本が好きじゃないとか、そういうことじゃなくて、現実的に時間が空けられないっていうのがもう唯一の理由だったんですよね。
稽古のスケジュールを、1月から2月にかけて入れるっていうのは物理的に不可能だなと思ってお断りをしたわけですけども。
断って、僕の中でどういう気持ちになるかなって思ったんですけどね。
すごくがっかり、がっかりっていうか、悲しい気持ちになったんですよね。
なんでかっていうと、出たかったわけですよ、僕は。
そのお芝居をやりたい、誘ってもらえるんであればやりたいなって。
2月の演劇っていうのはけっこうね、がっつりと稽古をするタイプのものだったので、そういうちゃんとしたお芝居の試みっていうのは、継続的に続けていきたいなっていうのもあったもんですから。
それが物理的にできないんだっていうことを自分で再確認した時に、非常に落ち込んだわけですよね。
僕はそういうがっつりしたお芝居に出られるようなスケジュールではないんだって思って。
言ってしまえば当たり前のことなんだけど、1日って24時間しかないわけでね。
それが1週間でかける7しかなくて、1年間は365日しかなくてっていうのは、全員同じなわけですよね。
動物によってさ、体感の時間の間隔が違うとか、子供と大人では違うとかってのはあるけど、少なくとも、24時間が25時間になることはないわけで、やっぱり、できることは限られているわけですよね。
その時に改めて思ったのが、自分が今やっていることっていうのは、ほかのことを諦めた上で成り立ってるんだっていうことをね、すごい思ったわけですよ。
だから、今やっている活動をやってなかったら、その演劇には出られたわけでね。
その演劇になんで出られないかっていうと、今やってる活動があるから出られないわけで。
ってことは、今やっていることっていうのは、ほかのことを諦めた上で成り立っていることなんだなっていうのをね、すごい思ったわけですよ。
これは僕に限らず、全員に一致した話だと思うんですよね。
1日24時間、全員がなにかに時間を使ってるわけですよね。
それは、仕事であっても、趣味の時間であっても、活動の時間であっても、余暇の時間であっても、ご飯を食べてる時間であっても、寝てる時間であっても、なにかしらに人は時間を使っているわけで。
で、その使っている時間っていうのは、ほかのなにかをすることを諦めてやっているわけですよね。
僕ね、定期的にっていうふうに決めてはいないんですけど、たまに自分がやっていることの棚卸しをするんですよね。
どうやってするかっていうと、今、自分が時間をかけてやっていることはなにかなっていうのをリストアップするんですよ。
ご飯を食べるとか、寝るとかは入れないですよ。
活動でね。
仕事とかさ。
これもそうだね、音声配信とかもね、そういうのを細かくズバーッて書いていって、で、ふたつに分けるんですよね。
それを10段階で分けて、片方は、それが自分にとってどれだけ重要なことなのかっていうのを1から10でつけていって、で、それはどのぐらい時間がかかることなのかっていう、どのぐらい自分の時間をそれによって取られてしまっているのかっていうのをまた10段階でつけて、みたいなのを、細かくつけていって。
それプラス、時間がかかってることっていうのは、ずっと時間がかかり続けることなのかっていう話もあるじゃないですか。
始めたばっかりで慣れてなくて時間がかかっちゃってるのかもしれないし、途中で終わるかもしれないじゃないですか。
1ヶ月でおしまいになるプロジェクトかもしれないし。
っていう細かな事情をそこにパーッて書いていった時に、これは全部続けることなのかな、続けなくていいものもあるんじゃないかな、っていうことを、リスト化して見直すようにしてるんですよね。
そうしないと、長く続けていることは、やっぱり続けたくなっちゃうわけですよ。
だって、辞めるってもったいない感じがするから。
でも、長く続けているうちに、もともとそれは重要だったけども、今となっては重要度が落ちていることっていうのもあったりするわけですよね。
でも、続けることに負担感があんまりないから、まあまあ続けているっていうこともあったりして。
それもひとつ見直すことによって、「えいっ」てやめない限りは、要は、お局様みたいに昔から続けていることが今もあり、続けていることがいいとも限らなくて、そのことによって、新しいことができなくなってるってこともあるからね。
だから、そういうことは、断腸の思いでそのお局さんを解雇しなければいけないっていうこともあるかもしれないんですよね。
そうすることによって、さっきの話に戻ると、僕はもしかしたらその演劇に出られたかもしれないっていう、そういうことが起きるわけで。
だから、いろんなことをやっていると充実感があったりもするんだけど、それが本当にやるべきことなのか。
余裕がないと新しいことって入れられないし、新しいことをどうしようかなって考えられもしないから、そういう隙間を開けておくっていう努力もね、やっぱり必要なんだろうなっていうふうに思いますね。
どのみちね、今回のその演劇に関しては、僕の場合はどういうふうにこじ開けたところで、まあまあ無理だろうなっていう話だったからね。
どっちにしても、断ることにはなってしまったんだろうけども。
でね、こういうことをずっと考えると、突き詰めるところね、僕の場合はサラリーマンで働いていると、仕事の時間が余計なんですよね。
ここにたどり着いた。
一日、残業がなくてもさ、8時間とか9時間とか拘束されてるわけじゃないですか。
行き帰りの交通の時間とかね、その間に他のことをやってるにせよ、その時間って固定で取られるわけで。
僕は今働いている仕事って嫌いじゃないんですよね。
比較的好きな仕事をやらせてもらっているから、それがすごいストレスで、辞めたくてしょうがないよ、みたいなことはないんだけど。
ただ、とはいえ、じゃあ今のやっている仕事っていうのが、僕にとって8時間、9時間、毎日費やすほどのものなのかっていうと、そういうわけではない。
でも、ただ、じゃあだからといって辞められるかっていうと、そのことによってキャッシュポイントを失っていくわけで。
まあまあ、おいそれとやめられないよね、みたいなね。
僕も結婚して子供もいますし。
自分の中での、活動の優先順位でもって全部切り分けられるわけではないわけだけども、そういうことも含めてね、常に考えておかないとダメですよね。
どこかのタイミングでさ、やめた方がいいんじゃないのって考えさせられるタイミングもあるかもしれないわけですよ。
僕、今の会社に20年近く勤めているからね、じゃあその20年間、ずっとその仕事の優先順位と一緒だったのかどうかもわかんないし、この後の10年間も一緒かどうかはわかんないんだけど、そういう見直しみたいなものをしない限りは、20年近く続けてた仕事を辞めるって選択肢はね、上がらないですよ、正直ね、すごく怖いことだし。
そんな調子でね、仕事は辞めた方がいいとか、辞めない方がいいとかって話ではないけども。
自分がやっている活動っていうのはつねに見直して、見直すことによってもっと大事な新しいことが自分のところに届いてくるってこともあるわけだから。
自分のやっていることっていうのはつねに理解して、精査しておくっていうことをしていきたいなっていうのをね、今回僕は、大事なお誘いを断ったことを通じて感じたので、そういう話をさせていただきました。
今回はそんなところで終わりにしようかなと思います。
ありがとうございました。バイバイ。