僕、けっこう喜怒哀楽が激しい方なんですよね。
すごい楽しい気分になったり、めちゃくちゃムカついたり、そういう気分の抑揚みたいなのがけっこう激しいんですよ。
でもね、もういい大人だからさ、ちょっとしたことで「イライラしてるなー」みたいなのが表に出すぎるのもはばかられるわけじゃないですかね。
小さい子供とかだったらまあ、しょうがないわねとなるけれども、もう40も過ぎている大人がちょいちょい苛立ってたりさ、苛立ってたとかと思ったらわーいって喜んでたりしたら、ちょっとみっともないっていうかさ、そういうのあるじゃないですか。
そういう時に、ポジティブシンキングみたいなのね、言われると思うんですよ。
あと、3秒ルールとかさ、そういうのあるよね。
ムカついた時に、それにすぐ反応しないで、3秒待つとその怒りってじつはすぐ収まるよ、とか。
あとは発想の転換で、ポジティブ変化をすれば、そのネガティブな気持ちもあんまりなくなってくるよ、みたいなさ。
そういうことって言われると思うんですけど、僕はね、あんまりそれをやってもうまくいかなくて、ムカついた時に3秒待ってるぐらいだったら、別にムカついてるうちに入らないわけじゃないですか。
もう、3秒待てないわけだよね、ムカついちゃってんだから。
だから、3秒ルールっていうのも俺はあんまりできないし、ポジティブシンキングっつったって、そのポジティブシンキングができるのは、ポジティブな気持ちになってるからポジティブシンキングができるんだって。
ネガティブな気持ちの時に切り替えようとすると、自分が無理やりそういうふうにさせられてるような気分になって、余計に嫌な気持ちになるんですよね。
自分はそうだから、3秒ルールとかポジティブシンキングとかさ、そういうのは僕はあんまりあってなくて。
とはいえ、そんなに人前で「こいつ機嫌悪いな」みたいなことが頻発しなくはなってきてるわけですよ。
年を取るごとにね。
たぶんそんなに「怒りっぽい人ですね」って思われてはいないと思う。
仕事の時も怒ることなんてほとんどないしね。
じゃあ、年を取って、なにか熟練して、穏やかになってきたかっていうと、別にそんなこともないと思ってるんですよね。
僕自身はそんなに穏やかにはなってなくて、喜怒哀楽が激しいのは今でも一緒だと思ってるんだけど、たぶんそれが昔に比べて表に出なくなった要因のひとつに、自分が今どういう状況に置かれているかを観察するようになったんですよね。
ムカついている時に、3秒待とうとか、思考を転換しようってする前に、「今すごいムカついてるな」っていうのを、自分の中で、肌で感じるようにしてるんですよ。
ムカついてる時に、ムカついてるなっていうことを、自分の中でむしろ認識しようっていうふうに思ってて。
僕の場合は、ネガティブな感情になっている時って、体がね、ちょっとこう、震えるような感覚があるんですよね。
震えるとか、ビリビリする、ちょこっと電気が走ってるような、なんかそういう肌感覚がじつはあって。
それで、「今、すごい気持ちがささくれだってるんだな」って。
それはね、すごく腹が立ってない時の方が有効で、「今ちょっと自分は気分がささくれみたいになってるんだな、だってちょっと体ビリビリっとしてるもんね」って。
その体のビリビリ感から、自分のその時のモードみたいなものを感じるようになったんですよ。
そうすると、例えば、今もうビリビリモードになってるんだから、その時に誰かとコミュニケーション取ってもろくなことはないよねって、わりと冷静に考えられるようになるんですよね。
だって、今ビリビリしてるんだもん。
だって、ビリビリしてるんだから、この時に人とコミュニケーション取ろうとしたって、どうせ相手の粗探しをして、そのことを責めたくなったりするだろうな、みたいなことは自分でわかるから。
ムカついてるのを収めようとは思わないんだけど、「今じゃないな、誰かとコミュニケーション取るのは」っていうふうに思えるようになったっていうか。
短気とか、落ち込みとか、そういう喜怒哀楽みたいなものが表にわかりやすく出過ぎちゃわないようにするために、一番自分の役に立ってるやり方っていうのが、その方法だなって思ってるんですよね。
自分が今どういうモードなのかなっていうのを、自分の肌感覚から認識する。
怒っているっていうことに目を向けて、なんで自分は今、腹が立ってるんだろうってことを内省するんじゃなくて、体の具合、ちょっと電気が走っているこの体の具合は怒ってるんだな、みたいな。
全然そこの理屈みたいな話じゃなくてね。
たぶん、自分が敏感なわけじゃなくて、そこに目を向けると、けっこうわかりやすいなって思うんで。
もし、自分の感情のコントロールが難しいよっていう人がいたらね、ぜひ、やってもらえるといいなっていうふうに思います。
自分の思考とか、怒っている事実とかそういったこと、相手が悪いのか、悪くないのかとか、そういうことは一旦置いといて、自分の体の感覚、体でどういったことが起きているのかっていうところに目を向けてみるっていうのは、意識しないとやらないことだったりするんでね、よかったら取り入れてみてください。
もともと自分は穏やかな人間ですよっていう人は、わざわざそんなことする必要ないと思うけど、自分の感情が抑えにくいっていうような人がいたらね。
ぜひやってもらいたいな、なんて思います。
はい、今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。