この間ね、大学生と話をしていて、この春から就職っていう人だったんだけど、就職が決まってから卒業までの間、単位の目処も立っていてっていう状況で、どうやって過ごしたらいいのかっていう話になったんですよ。
その人が言うには、いろんな人に聞くと、そういう時だからこそ旅行した方がいいよってすごい言われるんだよねって言ってたんですよね。
たしかに、働いていると旅行するのが大変にはなりますよね。
まとまった休みが取りづらいし、まとまった休みを取っても、その間でがっつり旅行しちゃってると疲れちゃって次の仕事に差し支えるとかさ、いろいろあったりもするから。
子供が生まれると自由に行動できないとかあったりもする中で、学生で時間があるっていう時に旅行できればなんの気兼ねなもなく、帰ってきたらだらっとできるわけだし、学生だから子供の世話なんかももちろん、多くの場合はいないだろうから。
そういった意味では、旅行っていいのかなっていうふうには思ったりもするけど。
その人が言っていたのは「とはいえ、旅行って高いじゃん」っていうことだったんですよね。
お金がたくさんあれば、時間があるときに旅行をたくさんしようってなるけど、お金がなかったら旅行なんてなかなか行けたもんじゃないよね、みたいなことがね、その時に話としてあったんですよ。
それを聞いて、たしかになってすごい思うんですよね。
移動ってすごいコスパが悪いんですよね。
僕のイメージでもね、この間ね、神戸にお芝居をしに行ったんですよ。
1泊2日でね、仕事終わりに新幹線に乗って神戸行って、神戸で夜一泊して、翌日に公演して、そのまま帰ってきたんですけど、それだけでも4万5000円ぐらいかかるんですよね。
新幹線が片道1万5000、6000円くらいで、プラス泊まる代金とかかかるからさ。
そこにいた時間って丸一日ぐらいなんだけど、それでも往復するだけで4〜5万円かかっちゃうからさ、そういう意味ではすごいお金がかかるな、とは思うよね。
だって普通に生活していて4万5000円とかさ、そこそこなことができるわけじゃないですか。
めちゃくちゃいいご飯食べたって、4万5000円はしないでしょ。
それを考えると、移動ってすごいお金のかかる行為だなっていうのはね、その人のおっしゃる通りだなっていうふうには思うんですよね。
昨今、いろんなものが値上がりしている、物価が上がってるよねっていうのは日本でも言われるけど、物価が上がってる要因って、モノの移動にまつわるコストなわけじゃないですか。
例えばウクライナの戦争でいろんなものが入ってこなくなった、原油がなかなか入ってきづらくなったとかさ、物流コストが上がった、2024年問題でドライバーの残業規制とかかかるんで、人手不足になったとか。
要は移動にまつわるその賃金が上がったっていうことなんですよ。
それを考えると、人であってもモノであっても、なにかを移動させることって非常にコストのかかる行為だよねって思うんですよね。
なにしろさ、原油って車とかを移動させるために使うものではあるけど、それを持ってくるのでも、船でずっと持ってこなきゃいけないから、すごい大変な行為なわけじゃないですか。
最近だと、Amazonとか送料無料でポンと、そんなに高いものじゃなくても送料無料で届いたりするからさ、てっきり「モノを移動させる行為」って安価にできるものだと勘違いしてしまうんだけれども、そもそも、モノを移動させるっていうのは、すごくお金かかること、手間のかかることだよねって思うんですよ。
だから、コスパよく生きるにはできるだけ移動しないことだよなって、僕は感じちゃうんですよね。
僕自身が神戸に行って公演したりするのが嫌だよってことじゃなくて、それはほかにもいろんなことがあるから、そこに行ってやる分にはかまわないなと思ってるんだけど、コスパという意味ではね、移動しないっていうのがすごいいいよねって思うよね。
特に東京に住んでるとさ、別にたいして移動しなくたって事足りるわけですよ。
東京近郊を移動するだけだったらさ、そんなにかかんないでしょ。
電車だって200円とか300円とかで移動できるわけだから、それはだから、移動のうちに入らないよね、あんまりね。
それで全然事足りちゃうからさ、移動圏をちっちゃくして生きていくっていうのは、この物価高の時代でも生きていくためには大事なことなのかもしれないなっていうふうに思うよね。
だってさ、物価高でいろんなものが高くなったって言ったって、相対的に言うと高くなってないと思うんですよね。
モノの移動が生じないものって安くなってるから。
例えばデジタルコンテンツ。
NETFLIXとかU-NEXTとかAmazonプライムとか、月額1000円とか2000円でいくらでも映画とかドラマが見られるって、僕が学生の頃では考えられなかったことなわけですよ。
僕は映画好きだから、映画を見ようと思ったら、千何百円払って映画館に見に行くか、ビデオレンタル屋さんで1本何百円払って借りてこない限りは、映画を見ることはできなかったわけで。
それがさ、1000円払ってたらいくらでも見られますっていうのは、もう衝撃的な安さなわけですよ。
もっと言ってしまえば、こうやって僕が音声配信したいなって言ってやってるのなんて、タダなわけですよね。
それを考えると、物の値段が上がったって言っても、大きな意味で、サービスの価格って絶対上昇してないはずなんですよね。
モノの移動とか、人の移動が生じないサービスっていうのは、絶対安価になっているはずだから。
日本ってね、モノの値段が上がって賃金の上昇があんまりないからさ、すごく大変になった感があるけど。
聞いた話では、世界的にはモノの値段が上がっているよりも賃金が上がってるから、物価高っていうのは世界的にも等しく起こっているわけだけれども、それ以上に賃金上昇が大きいんで、物価高だよねっていう感じが日本よりも少ないだろうなって思うよね。
だから、日本がインバウンドで旅行客がいっぱい来たりするっていうのは、そういうことなんだろうなっていうふうに思うよね。
俺、びっくりしたのが、築地。
築地に行ったらさ、豊洲に市場が移っても築地ってお寿司いっぱい売ってるんだけど、昔はすごい安いお寿司がいっぱい売ってたんだけど、めちゃめちゃ高いんだよね、行ってみるとね。
でも、日本人が買うような品物ではないんだよ、なんかもう、1巻何千円みたいな世界で売ってて。
で、外国人観光客がそれを写真に撮って、インスタとかに上げるのかもしれないけれどもさ、日本人は全然買ってないっていう感じになっててさ。
そういうところからも、昔は世界第2位の経済大国と言われた日本だけれども、世界の経済がどんどん良くなっていくのと、日本の経済が停滞しているのとのバランスで、相対的に苦しくなっているっていうのはあるんだろうなって思いますけどね。
とはいえ、全体的に値段が上がってるっていうふうに僕は感じないので、楽しく生きる方法はいくらでもありそうな気がしますよね。
今の時代ってね、こういう音声配信なんかいくらやってもタダ、なんていうのも大変助かりますね。
僕は映画好きだから、U-NEXT様々だし。
日本の未来はなかなか明るくならないみたいな、そんなニュースをよく見るけれども、昔に比べたらすごく楽しみやすい世の中なんじゃないかな、なんていうふうに思いますね、個人的にはね。
なんだかんだ言って、人間の幸せ感って、贅沢できるかどうかっていうより、人間関係によるものがめちゃくちゃでかいと思うからね。
だから、どういう経済状況であろうとも、人間関係っていうのをきちっと作っておくっていうのは、ひとつ大事なことなんだろうなっていうふうにも思うし。
うん、それは変わらずだよね。
でも、長引いたコロナの時期を経て、その辺の感覚っていうのもすごく変わってきてるような気がしますね。
最近ね、いろんな人と話してると、結婚したっていう人とか、結婚願望がすごく芽生えてきたっていうのをね、よく話として聞くんですよね。
でもさ、未婚率っていうのは高くなってるわけじゃないですか。
昔に比べたらね。
そういう話をよく聞くっていうことは、コロナ禍を経て、人との繋がりってやっぱり大切なんだなみたいなことが反動で強まってるのかもしれないね。
コロナ禍であろうとなかろうと、やっぱり人間関係っていうのは大事だなと思うし、お金をかけないと育めないっていうことではないと思うから。
ある程度慎ましやかに、自分の楽しみを見つけつつ、自分が楽しく生きられる人間関係を育んでおくっていうのは、人生の中で大事なことなんじゃないかなって思いますね。
別の回で話したいけど、どういう人と気が合うのかっていうことを自分の中でわかっておくっていうの、大事だと思いますね。
僕の中で明確に「こういう人と付き合っていきたい」みたいなのがあったりするので。
そういうのはね、基準として持っておいた方がいいような気がしますね。
その基準と照らし合わせて、そういう人としか関わっていかないっていうのは生きていく上で難しいかもしれないけど、そういう人とより長い時間を過ごせるように、自分の時間設計をしていくっていうのはあった方がいいかもな、とも思いますね。
ちょっと雑談っぽくなってしまいましたが、今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。