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オンライン喫茶しゃびのオフなひととき(テキスト)

522.魅力的な仕事をする人の特徴

僕は今の仕事を始めてちょうど20年で、今21年目になるんですよ。

思い返せば、20代の頃に今の会社に入って、3年ぐらいしたらもう辞めて別の仕事を探そうかな、なんて思いながら、一旦のつもりで会社に入ったのに、あれよあれよといううちに20年が経ったなっていうことなんですけれどもね。

今の会社にずっと居続けたことがいいことなのか悪いことなのかっていうのはね、自身ではあまり判断のできないところではあるんですが、とはいえ20年もいると、いろんないい出会いがあったなっていうふうには思うわけですよ。
20年いるとさ、何人ぐらいの人に出会ったんだろうね。
で、その中にはさ、自分がすごく尊敬する人にも会いましたしね。
そんなにめちゃくちゃたくさんはいないけどね。
何人かは、この人すごいな、真似したいな、この人のようになりたいな、この人の技術を習得したいな、って思った経験があるんですけれども。

そういう、自分がすごいなって思った人、これは仕事に限ったことではないけどね、そういう人を思い浮かべた時に、ある共通点があることに気づいて。
それはね、ルールに対する捉え方が、非常に柔軟であるっていうことなんですよね。
ルールを柔軟に捉えているっていうことです。

僕が勤めている会社っていうのは、10万人を軽く超えるぐらい、ものすごく人の多い会社なんですよね。
全国にたくさん、会社の社員がいるんですけれども、それだけ人が多い会社を束ねていくには、細かなルールが必要なんですよね。
そうしないと、ガバナンスが成り立たなくなっちゃうわけですよ。
会社の管理が行き届かなくなっちゃうから、すごく細かくルールを作っているんですよね。
どっちかっていうとね、お役所的ですよ。
ひとつの書類を、書類として成り立たせるためにも、いろんな人の判子を押してもらわなきゃいけないし。
稟議にかけてね。
そういうふうに、すごく細かい会社なんですけれども。

その中で一部、そのルールをうまく解釈している人っていうのがいるんですよね。
うまく解釈しているっていうのはどういうことかというと、ルールって杓子定規に守りゃいいってもんではないっていうふうに僕は思うんですよね。
ルールを杓子定規に守ると、自分の行動って1パターンしかなくなっちゃったりするんですよ。
自分はこういう行動を取るしかない、このルールを守るためにはこういうふうに仕事をするしかないっていう、自分の仕事っぷりの選択肢がすごく狭くなっちゃうんだけれども、ルールを柔軟に捉えていると、自分がどのようにプレイヤーとして振る舞えばいいのかっていう選択肢がすごく増えるんですよね。

ただ、あんまりにもルールを拡大解釈しすぎると、それルール違反でしょっていうことになってしまって、それで、さっきのガバナンスが効かないようなことをやってしまって、会社に損害を与えてしまうということであれば、それはそのルールに対する捉え方は広すぎるんじゃないかってことになるんだけど。
塩梅よくルールっていうものを捉えていると、プレイヤーとしての行動にも幅が出てくるし、結果的にそれが成果につながっていくっていう感覚があって。
そういうことをきちっとできていて、成果につなげられているのが、僕がね、今まで見てきた中ですごいなって思う人たちなんですよ。

なんかこう、言い方に気を付けなきゃいけないけど、ルールって後でつじつまを合わせればよかったりもするんですよね、正直。
ガバナンスが崩れてしまうようなルールの破り方はしちゃいけないけれども、結果的に守られているんであれば、決められた順序でルールを守らなくてもいいよねっていうことって、僕はたくさんあると思っていて。
真面目な人にとっては、それはルール違反だろうってことになるんだけど、別にルール違反したからって結果的になにも起きようがない、なにも問題が起こるきっかけになり得ないルールの解釈だったら、僕はいいんじゃないかなって思ってるんですよ。
これは受け取り方によっては無茶苦茶な考え方だなってなっちゃうかもしれないので、すごく気を付けて言わなきゃいけないんだけどね。

すごく優秀な人っていうのは、そこからさらにもう一歩踏み出して、ルールっていうのは変えることができると思っている人も中にはいてね。
それはさっき言ったガバナンス、会社を管理していくにあたって、今のルールのやり方ではマイナスの方がでかいんじゃないかと。
確かに今のルールっていうのは会社を統治していく上では必要なんだけれども、その代わりお客さんに対しては非常にマイナスなことになってるよと。
例えば、その書類をひとつ作るのに稟議を山ほどかけなきゃいけなくて、書類が出来上がるのに1ヶ月かかりますと。
でも、お客さんはその書類が2週間後には絶対に欲しいですってなった場合って、統制を効かせようとするのが、お客さんに対してはあまりに不利益なわけじゃないですか。
ほんとに1ヶ月かかるんだったら、まあまあしょうがないかもしれないけれどもね。
じゃあ、2週間でできるにはどうしたらいいのか。
2週間で出来上がる方法、書類が出来上がる方法にルールを変えたとして、そんなに大きな問題があるのかっていうことを考えた時に、ないっていうんであれば、ルールの変更を申し出た方がいいわけじゃないですか。
そういうことを日々考えていて、そのルールを書き換えたりすることができる人っていうのが、会社でもトップスコアラーの人たちだろうなっていうふうにね、僕は感じるんですよ。

仕事ができるとか、魅力的な仕事っぷりですねっていう定義があるわけじゃないから、あくまで僕の考え方だけど。
僕が真似したいなって思う人だったり、すごいなって思う人っていうのは、ルールを柔軟に捉えて、臨機応変に自分の行動を変えることができる人で、かつ、そのルールっていうのが現状に沿っていないもの、そういうルールじゃない方がいいんじゃないのっていう時は、積極的に意見を会社に上げて変更させるように推進していくみたいなところがある人ってのはすごいなと思いますね。

僕の勤めるような会社ってそう簡単にルールを変えないので、「それはルールだから守ってください」っていうふうにしたいわけですよ。
だって、そのルールを変えちゃったら、他の何十万人の人たちも変えたルールを守らなきゃいけなくなるわけで、けっこう大事ですから。
なかなかルールっていうのは変えたがらないんだけれども、でも変えた方が良ければ、長い目で見て「変えてよかったね」ってことになるわけで。
そういうことも考えて、労も惜しまず、ルールの改変に動いたりっていうことをしている人ってのはいますよね。
僕もそうなっていきたいなっていうか、そういう働き方をしたいし、そういう生き方をしたいなっていうふうに思いますね。

「ルールはルールでしょう」じゃなくて、ルールっていうのはなんであるのかなあ、こういうことであるんだ、じゃあ守った方がいいよね、でも、守るにしても、こういう守り方の方がすごく生産性がある守り方だよね、みたいな。
そういったことをちゃんと考えて行動できるようになりたいなって思ったのでね、ちょうど20年の節目だったので、今日はそんな話をさせていただきました。

今日はそんなところで終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。