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525.本当に向き合わなければいけないこと

最近読んだ本ですごくいい本があったのでそれを紹介したいなと思うんですけど、「あっという間に人は死ぬから」っていうタイトルなんですよね。

けっこう売れた本なので、ご存じの方も多いかなって思うんですけど、サトマイ(佐藤舞)さんっていうYouTuberとして有名な方が書いた本なんですけどね。
このサトマイさんっていう方は、統計学を使って世の中にあるいろんなことの謎を解いていくっていう、すごく面白い解説系のチャンネルやってる方で、見たことない方がいたら一回見ていただきたいなと思うんですけど。
このYouTubeチャンネル自体めちゃくちゃ面白くて僕はすごい好きだったので、そのYouTubeを見ていたらご本人が紹介されてたので読んだっていう感じなんですけれども。

「あっという間に人は死ぬから」っていうタイトルから容易に想像できるのは、いわゆる時短術の本。
こうすると効率的に毎日が過ごせますよ。
人はあっという間に死んでしまうと。
時間がないんだから、無駄に時間を過ごしている場合じゃないよと。
効率的に時間を過ごさなきゃいけないんで、こういうふうにスケジュール立てしてとか、タスク管理をしてとかさ、そういうふうに過ごすといいですよ、みたいな本っぽいタイトルなんですけれども。

確かにこの本は時間に関する本ではあるんですが、いわゆる時間管理の話っていうのは初めの何ページかで終わっちゃうんですよね。
時間管理に関してはこういうことが色々言われてますよ、みたいな紹介で終わって。
この本の本題っていうのは、時短をすることが目的なのではなくて、人は本当に自分がやらなければいけないことから目を背けて生きていると。
自分が本当にやりたいことに気づいて、やらなければいけないことに気づいて、そこに向かって時間を費やすようにしないことには、いかに時短術をやったとしても、本質的なことをやってない以上あまり意味がないんじゃないかっていう論点で書かれた本なんですよね。

サトマイさん自身は統計学を使ってっていうYouTubeチャンネルをやられてるんですけど、この本もいろいろな統計とか実験結果とか、そういったことが挙げられてはいるんですが、ベースになってるのはどっちかっていうと哲学が強いかなっていう、なんかそういうイメージですね。
前提としてこの本に書かれているのは「人間は3つのことから常に目を背けて生きている」と。
この「3つの大事なこと」から目を背けて生きていることが、本質的なことに向き合うことから人が目を背けてしまう要因なんだっていう、そういうことが根っこで書かれているんですよね。
で、その大事な3つのことっていうのは、「死と孤独と責任」、この3つ。
人は必ず死ぬんだと。
人は孤独なんだ。
人には責任がある。
この3つから人は目を背けたくなってしまうので、本質的ではない、本当にやりたいことではないことに時間を費やしてしまうんだというのがこの話の前提になるところなんですよね。

この3つから目を背けなかった時に、背けないようにできたとして、「あなたにとってやらなければいけないことってなんですか」っていうことを考えさせてくれるのが中盤以降の流れになっていて、それがワーク形式で書かれているという非常に面白い本で。
僕も2回目読んで、今はワークを一生懸命やってるところなんですけれども、でも、ほんとにそうだなと思うんですよね。

人って絶対死ぬじゃないですか。
死なない人はいないっていうのは情報としてはわかっているんだけれども、いつ死ぬかっていうのがわからないわけですよね。
明日死ぬかもしれないし、100歳まで生きるかもしれないっていうそこそこ長いレンジの中で。
ただ、人はどっかのタイミングで死ぬんだっていうことがわかっていると。
なので、いつ死ぬかわからないんだからといって、口では言ったとしても、当面死なないことが前提として人は生きてしまっているよねっていうのは絶対あると思うし、「人間孤独なもんだよ」みたいなことは誰しも言葉ではわかっているんだけれども、本当に自分が孤独なんだっていうことをきちんと落とし込んだ上で生きられてる人ってそんなに多くないと思うんですよね。

だからこそ、依存みたいなものが生まれやすかったり、誰かに裏切られるのが怖い、ハシゴを外されるのが怖いみたいなところで、逆に人と関わることが怖くなってしまって関われないってことも起きると思うし、責任も同じですよね。
会社に勤めていると、自分が悪いんじゃなくて、例えば会社のこういうところが悪いからうまくいかないんだよ、なんてことってね、よく言いたくなっちゃったりもするかなって思うんですけれども。

細かい中身に関してはぜひ本編を読んでもらいたいんですけど、その中で僕、確かにそうだなって思った部分があってね。
本の初めのほうに出てくる話なんですけど、小学校の時って20分休みってあったじゃないですかね。
うちの娘もこの間まで小学生だったんで、20分休みがあったんですけど、だいたいあれは2時間目と3時間目の間なのかな。
20分の休憩時間があったと思うんですよ。
その時って皆さん、なにされてましたかね。
僕は20分休みの時って、外に行ってサッカーしたり、友達とごっこ遊びをしたりとか、そういったことをしていた覚えがあるんですよね。
でも、その20分ってそんなに長い時間じゃないじゃないですか。
休憩時間としてね。
今、20分休みがあった時に、その間にサッカーする気になるかなって考えると、20分しかないから、じゃあなにして時間潰そうかな。
喫煙者だったら、タバコでも一服吸いに行ってくるかとか、コーヒーでも買ってくるかとかね、スマホで動画でも見るかっていうんで、20分を過ごしちゃうような気がするんですよね。
「ごはんが炊けるまであと20分か」って、ちょっと一休みするかって言って、一休みの間に「サッカーしに行こうぜ」みたいなことってないと思うんですよ。
誰かに電話して「20分ZOOMでお茶しようぜ」みたいなこともしないと思うんですよね。
そんなに濃い時間を、20分で過ごさないような気がするんですよ。
子供の頃はそういうふうに過ごすことができていたのに、大人になるとできなくなってしまうってどういうことなんだろうなっていうのが、この本の序文のところに書かれていて、いや、確かになって思うんですよね。

人って、大人になるに従ってやらなきゃいけないことが明確に出てくるわけじゃないですかね。
仕事に行かなければいけないとか、家事をしなければいけないとか、通院するんだったら通院の予約をしなければいけないとか、子育てで子供にミルクを飲ませなければいけないとかね、そういうわかりきったタスクっていうのがあると思うんですよね。
そのタスクをこなすことによって、毎日忙しくしてるな、みたいなことで一日を終えてしまう傾向にあるんじゃないかなっていうふうにね。
だから、20分空いたとしても「タスクとタスクの間の空き時間」っていうふうにだけ捉えて、スマホでも見て過ごしちゃうみたいなことがあるんだろうなって考えた時にね、ほんとにそのタスク、自分が絶対にやらなければいけないことって、一日の中で本当に大半を占めるぐらいかなって思ったりもするわけですよ。
全部足していったら、そのタスクに追われなくてもいい時間って、そこそこあるんじゃないかなって思うんですよね。

タスクをやらなくていいとは言わないですよ。
自分のやらなければいけないという使命に向かって、仕事を辞めてそっちに行った方がいいとかっては、僕は思わないですけどね。
やっぱり生活があるから。
でも、そういうタスクに時間を割いたとして、それ以外の時間って多くの場合、ある程度は時間が取れると僕は思ってるんですよね。
ほんとに多忙な人は別ですよ。
ほんとに多忙で、それがその人にとってやらなければいけない使命じゃないんだとしたら、ほんとにそれを生業にすべきなのかなってことを考え直した方がいいんであって。
基本的にはやっぱりある程度自分で好きなようにコントロールできる時間っていうのはあるはずで。

でも、自分の日頃の生活を振り返ってみると、だらっとしちゃうんですよね。
タスク以外の時って、こういう音声配信はやるって決めてるからタスクに入ってるわけですよ。
仕事もタスクに入ってるし、家事もタスクに入ってるんだけど、例えば僕なんかは、この本にも書いてあったんですけど、やたらと掃除をするくせがあるんですよね。
最近ね、10分空いたから掃除しようって。
掃除をこんなに頻繁にする必要があるかっていったら、もしかしたらないかもしれないんですよね。
でも、自分がやるべきことから目を背けるために掃除をしたな、と。
自分は必要なことをやったんだっていう満足感のために、もしかしたらやってるのかもしれないし。
そういうことを考えるとね、子供の頃の20分の大きさみたいなことを考えると、自分がどういうことを今後やっていきたいのか、やっていくと自分の中で充足感があるのか、どこに向かっていったらいいのかみたいなことはね、この本のタイトルじゃないですけど、人はあっという間に死んでしまうのでね、考えて日頃を過ごした方がいいんだろうなっていうふうに、改めて痛感しましたね。

そのためのワークもあるので、一生懸命やってるわけですけれども。
この本を買うか買わないかは抜きにしてもね。
お金を稼ぐための仕事、生きていくための家事みたいなことはマストだと思うけれども、ほんとに自分が向き合っていきたいことを振り返った時に、どういったことが浮かび上がってくるかっていうのは、一度洗ってみるのもいいのかもしれないなっていうふうに思ったので、今回はそういう話をさせていただきました。
もしよかったらね、本も読んでみてください。

ということで、今回は終わりにしようかなと思います。
今回もありがとうございました。バイバイ。